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警察官から若女将に転身、老舗温泉旅館を切り盛り 島根・江津 

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 無事だったとはいえ、「生きた心地のしない恐怖感」に震えた。同時に、男が逮捕されたことに心の底から安心し、「私も女性や子供たちに安心感を与えたい」と警察官に憧れた。卒業後、教員として中学校に2年間勤務したが警察官への憧れは消えず、採用試験に挑戦。平成24年度、警視庁に採用された。

 だが、身体の弱い父、正臣さん(69)の分まで頑張っていた母、美弥子さん(66)が体調を崩したため、帰郷を決意。26年度に島根県警に入り、地元で警察官として務めながら両親を見守ることにした。交番勤務や犯罪の初動捜査、要人警護などを経験。「体を張った仕事に、責任感をひしひしと味わった」

 跡継ぎ問題

一方、両親と過ごす時間が増えると、旅館経営の大変さも実感、負担の重い母を心配した。人口減少と高齢化が進む町では、どこも跡継ぎ問題に苦慮しており、温泉街の旅館が次々に減っていく現実を目の当たりにした。

 「生まれ育った有福がなくなってしまう」との危機感から今年3月、旅館を継ぐことを決意。県警の上司は「人当たりがよく活発で、この仕事にぴったりなのに、もったいない」と思いつつ、快く送り出した。

 警察官から転身して半年。朝5時半に起きて朝食を用意し、布団を下げて宿泊客を見送ると夕方には新たな客を迎え入れ、夕食を用意。次の日の仕込みをして予約確認、部屋割り…と目まぐるしい。日中の合間には、別棟でカフェも手伝っている。

 「お客さんと会話したり、いろんな人と関わったりするのが好き」という佐々木さん。インスタグラムやフェイスブックを始め、宿泊施設予約サイト「Airbnb」に登録。県外へのキャラバン活動にも参加した。「有福温泉、島根県が持っている魅力をどんどん発信し、町を盛り上げたい」と意気込みを語った。

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