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【午後のつぶやき 大崎善生】震度7 馬たちの震災

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 何が起こったのか誰もわからない、ただグラウンドが波打つように揺れていた。「地震だ!」と教師が叫んだ。「これはすごいぞ!」。やがて校舎から続々と学生が駆けつけた。グラウンドが小、中学校の避難場所だったのである。それが震度5とされる十勝沖地震だが、函館の大学校舎の1階が潰れたほか、札幌市内での建物の被害も大きかった。グラウンドで小学生が立っていられないという状況も含めて、震度6はあったのではと今では言われている。

 7日の夜に北海道の兄から電話がきた。仕事で紋別にいるそうで、旭川から交通手段がなくタクシーで行った。しかし北海道全土が2日目の停電に入り、真っ暗なのである。ホテルに入ってもとにかく真っ暗。部屋への上り下りはすべて階段だし、冷蔵庫も自動販売機も停止状態。「ぬるいビールも手に入らない」と、いつもポジティブな性格の兄もかなりへこんでいた。

 真の暗闇は恐ろしい。私も山で何回か経験したが、足がすくむ。一歩も動けなくなる。

 新冠(にいかっぷ)にあるもう1つの巨大牧場に聞いたが、大きな被害はないが、停電と断水が最大の悩みの種という。大丈夫だったのかと思っていたら、安平のノーザンファームで母馬が1頭安楽死処分になったと発表された。放牧地で巨大地震にあい、恐怖のあまり暴れて足を骨折したようだ。ミスアンコールという名で、今年のダービー馬、ワグネリアンの母親だというから驚く。まだ12歳で繁殖牝馬として、将来を渇望されていたことは言うまでもない。(作家)

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