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【脱線事故現場に慰霊施設】「命の尊さ感じる場に」「見せ物のよう」現場整備に遺族ら賛否

マンションそばにある広場の整備が進む映像=平成28年3月(上田弘志さん撮影)
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 平成17年の事故から13年以上を経て完成した「祈りの杜」。整備された現場に対し、遺族や負傷者の受け止めはさまざまだ。

 長女の平野智子さん=当時(39)=を亡くした上田直子さん(80)=兵庫県丹波市=は「あの子がそこで亡くなった証になる」と、慰霊碑横に設置された名碑に長女の名を刻んだ。整備後の現場について「いろいろ意見もあったが、やっとできてよかった」と話し、「通りかかった人に気づいてもらい、事故をいつまでも忘れないでいてほしい」と望んだ。

 長男の吉(よし)崇(たか)さん=当時(31)=を失った菅尾美鈴さん(69)=神戸市東灘区=も、吉崇さんの名を碑に刻んだ。17日には長男の大好物だったロイヤルミルクティーと焼き菓子を持って現場へ足を運ぶつもりだ。「息子が命を落としたように(人生は)何が起こるか分からない。誰もが命の尊さを感じられる場にしてほしい」と訴えた。

 一方、三男の善弘さん=当時(20)=が犠牲になった下浦邦弘さん(70)=神戸市北区=は「命について考える施設としてはいい」としながらも、「見せ物のように感じる」と善弘さんの名を刻んだ石板を人の目に触れない地下に置く選択をした。家族や友人が訪れたときだけ見られるようにするという。

 3両目で重傷を負った同県伊丹市の主婦、玉置富美子さん(68)は「JR西の社員が、あんな事故を二度と起こしてはならないと感じる場になれば」と願う。ただ、「祈りの杜はあまりにもきれい。当時の生々しい記憶が感じれない気がする」と疑問を呈した。

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