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【脱線事故現場に慰霊施設】宙に浮く「関連死」の扱い

マンションそばにある広場で工事が進む映像=平成28年3月(上田弘志さん撮影)
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 JR福知山線脱線事故の現場に完成した慰霊施設には、犠牲者の名前を刻んだ名碑が設置された。JR西は遺族の意向を尊重しながら整備を進めたが、事故が原因で自ら命を絶った人もおり、こうした「関連死」をどう悼むかの結論は、まだ出ていない。

 「誰のため、何のための慰霊碑なのか」

 4両目に乗車し、平成20年10月に自死した岸本遼太さん=当時(25)=の母、早苗さん(74)はこう訴える。遼太さんは軽傷だったが、事故の2カ月後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。「多くの人が死んだのに、なぜ生きているのか」と自分を責め続けていた。

 早苗さんはJR西に、「他の犠牲者と同じように遼太の名前を碑に刻んでほしい」と繰り返し要望。受け入れられなかったため、替わりに事故が起きた4月下旬に毎年花を咲かせる桜の木を施設内に植樹してほしいと提案した。だが、整備が終わった今も明確な回答はない。「結局、JR西は『犠牲者は106人』との立場を通したいだけだ」。

 13年間同居した恋人の男性を事故で亡くし、後を追うように命を絶った荒川由起さん=当時(32)=の兄、直起さん(51)も、JR西の対応に不信感を募らせている。

 由起さんは事故の翌月に婚姻届を提出予定だったが、入籍前のため正式な遺族として扱われなかったことに悩み、事故から1年半後の18年10月、自宅マンションから飛び降りた。

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