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【脱線事故現場に慰霊施設】「残してやれずごめんな」 次男亡くした上田弘志さん、変わる現場225時間撮影

工事の記録が残るビデオテープを前に、安全への思いを語る上田弘志さん=神戸市北区
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 車両が突っ込んだマンションは上層階が解体され、新たな屋根で覆われていた。JR福知山線脱線事故の現場に完成した慰霊施設「祈りの杜(もり)」で14日、次男の昌毅(まさき)さん=当時(18)=を亡くした上田弘志さん(64)=神戸市北区=が、やり場のない悲しみと違和感を抱えながらマンション前でうなだれた。「犠牲者が生きた証にマンションをそのまま残してほしかった」。訴えは一部しか聞き入れられず、やむなく工事で様変わりする現場をビデオカメラで撮影し続けた。

 「昌毅、残してやれなくてごめんな」。撮影を始めた平成27年12月、カメラ越しの衝突痕を見て思わずつぶやいた。事故の風化を防ぐため、マンションを事故当時のまま残すよう求めてきたが、下層階の一部保存にとどまることが決まったからだ。せめて家族が変化する現場を後で見返せるようにと、工事が進む様子を撮り始めた。

 マンションの上層階が解体され、クレーン車で内装品が運び出されていく…。多いときで月15回、休日や仕事の夜勤明けに足を運んだ。3年近くで150回以上撮りためた動画は、計225時間余りになった。

 撮影したのは「風化させてはいけない。事故を繰り返してはならない」という強い使命感からだ。「お参り目的で行くと動悸(どうき)がして涙が止まらないから、撮影と割り切っていた」。

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