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陶磁器、浮世絵…ローマに眠る日本美術品「ラグーザ・コレクション」里帰り展示を ムソリーニの影で忘れられ…

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陶磁器、浮世絵…ローマに眠る日本美術品「ラグーザ・コレクション」里帰り展示を ムソリーニの影で忘れられ…

ラグーザ・コレクションの里帰りを目指す佐久間信悟さん(右)とアニェーゼ・プドリスさん ラグーザ・コレクションの里帰りを目指す佐久間信悟さん(右)とアニェーゼ・プドリスさん

調査を待つ品々

 コレクションはもともとローマの「ルイージ・ピゴリーニ国立先史民族学博物館」に保管されていたが、同館が昨年、他の3館と合併されたため国立文化文明博物館の所蔵となった。

 日本の研究者の間では、一部知られているものもあり、浮世絵や仏具、織物などについては、日本からの研究者たちが調べたものもあるという。

 しかし、掛け軸や巻物をはじめ、鎧や刀の鐔といった武具など、まったく調査が入っていないものもあり、佐久間さんによると、ルイージ・ピゴリーニ国立先史民族学博物館以来、同コレクションを担当するロレッタ・パデルニ学芸員も、専門家の調査を望んでいるという。

ムソリーニの影

 これほどまでの大規模なコレクションが、どうして忘れ去られてしまったのだろうか。

 佐久間さんはプドリスさんとともに、「ムソリーニ」の影を指摘する。

 ワルシャワ大学で美術史の博士課程を修了したプドリスさんによれば、1930年にローマで大倉喜七郎男爵の企画による大規模な日本美術の展覧会が開催された。この前年、在日大使のポンペイオ・アロイージ男爵によって「アルス・ニッポニカ」という日本美術の紹介本が出版され、イタリアでも日本美術への関心が高まっていたさなかのことである。

 この展覧会は大成功をおさめたが、実はファシズムの生みの親、ムソリーニ首相の組織的な支援を受けていた。「このときの展示品は美術館に寄贈され、ラグーザ・コレクションと統合された」とプドリスさんはいう。

 佐久間さんは「ムソリーニに対するイタリアの人たちの拒否感が統合されたコレクションを記憶の片隅に追いやっていって、知られざる存在になってしまったのでは」と分析する。

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