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【虎のソナタ】“秋の扇”のように消えていった虎の勝利 松坂の術中にまんまとはまり…

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 秋風が涼しく流れ始めると、夏の扇はどこかに忘れられてしまう。それを“忘れ扇”と呼ぶ…。忘れられるために愛され、愛されたために忘れられた…この季節のひと…という詩があるが、松坂大輔はいまもって多くの人々の心と甲子園という舞台にそれなりの季節感を持ち続けている。それこそがレジェンドたるゆえんなのだろう。それぞれの人生の機微と断片のなかに松坂は生きているんだ。

 今、小学生の子供たちには少し太目のかわいらしい!? おじさんかもしれない。編集局の窓際の『虎ソナ』席で雨ばかり心配して“もう終わった秋の扇”みたいな私めには…あの1998年8月22日、夏の高校野球決勝でノーヒットノーランという“怪”投をニコニコしながらやってのけた「モンスター小僧」の面影に胸がつまってしまって…気がついたら…その古き青春の甲子園から秋雨がそぼふる哀しい甲子園にもどっていたのであります。

 中日担当のベテラン三木建次が試合前にこんな松坂レポートをしてくれたっけ。

 「彼はメジャー流で登板前は我々にほとんど接触しない。直前になってスッと現れる。そして38歳になった松坂はナルホドなぁ…というゆったりとした投球を見せる。1球1球にすべて意味があるんや。若虎はいいように料理されるかもしれんぞ。そして試合時間は彼のペースに引き込まれて気がついたらアッということになっとるんと違うか」

 まったく三木建次のいったとおりになった。きがつけば松坂は5回95球で1失点のみでスッと消えていったのだ。

 なんだか…松坂の術中にまんまとはまってきがつけば…というまさに“秋の扇”のように阪神の勝利はどこかに消えてしまって…あとに彼の童顔の笑顔だけが残っていたのだ…。

 はるかに活きのいい球を投げていた才木浩人はこの11月7日に20歳になるが彼が松坂に学んだモノは何か。

 -ひと言の 忘れ扇に 及ぶなき…(島村はじめ)

  

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