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【西論】「学テ」指標化の是非 学力向上 教員の努力に評価は当然

学力テストの政令指定都市別の平均正答率
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 「結果に対し、責任を負う制度に変える」。これが企業のトップの発言なら驚かない。しかし、発言の主が大阪市長の吉村洋文氏で、責任を問う相手が教員、求める結果が「児童・生徒の成績アップ」だったことが多くの波紋を呼んでいる。

 ことの起こりは、今年8月、吉村氏の発言だ。吉村氏は、大阪市の児童・生徒が受ける小学6年と中学3年を対象とした全国学力テストの正答率に数値目標を設け、達成度に応じて校長・教員の評価やボーナス、学校予算の増減に反映させる構想を公表した。

 契機は、市の学力テストの平均正答率が全国の政令指定都市20市で2年連続最下位を記録したこと。小・中学校の学力向上は同市の長年の課題だが、なかなか改善しない。この状況を変えるために、吉村氏は校長や教員らの評価に直結させ、危機感とインセンティブを付けることを考えた。これに対し、学校現場からは、小・中学生の学力は家庭の経済環境と強い相関関係がある、などとして反発、一部には「市長の脅しだ」の声が起こり、撤回を求める署名運動までおこっている。

 学力テストの結果を、教員のボーナスに反映するのはいけないのか。是非について考えた。

 ◆ほぼ全員「横並び」

 吉村氏の構想で最大のポイントは、教員や学校の評価基準の一つに「学力向上」と明確に置いた点にある。

 市では、これまでも各学校現場では学力向上に向け、少人数の習熟度別授業の拡充や複数の教員が協力して1学級の授業を行うなど、指導方法の改善に取り組んできた。当然、教員によって実力や努力により、その成果や実績が異なってくると推測される。

 ところが、教員の人事評価は差がついているようには見られない。平成28年度では5段階評価のうち、上から2番目、3番目の評価だけで全体の約97%を占める。教員の評価は、ほぼ全員が「横並び」なのだ。ある市立校長は「学力向上は評価に直結していない」と話す。実際に評価対象の具体的な基準は、あいまいで、何をもって評価しているのか判然としない。

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