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【ミナミ語り場】作詞家・もず唱平さん 「あかんたれ」を応援する街

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【ミナミ語り場】
作詞家・もず唱平さん 「あかんたれ」を応援する街

「ミナミでの出会いが作詞家人生の出発点」と語るもず唱平さん=大阪市中央区の「たこ梅」(恵守乾撮影) 「ミナミでの出会いが作詞家人生の出発点」と語るもず唱平さん=大阪市中央区の「たこ梅」(恵守乾撮影)

 「花街の母」「釜ヶ崎人情」「あかんたれ」など数々のヒット曲を手がけた大阪在住の作詞家、もず唱平さん(80)。昨年、作詞家生活50周年を迎え、これまで世に送り出した作品は約400曲にも上る。中でも、「宵待しぐれ」や「浪花人情~ラムネの玉やんの唄~」といった、大阪ミナミを舞台にした作品が多いのは、人生で「師」と仰いだ人たちとの縁がこの街でつながったからだろう。

 真夏の夕刻、もずさんの姿はミナミの中心地・道頓堀にあった。外国人観光客でにぎわう近年の街の変貌ぶりに久しく足が遠のいていたが、ふらりとのれんをくぐったのは、かつて通った関東煮(かんとだき)の名店「たこ梅」。半世紀以上前、師の一人で演芸作家や上方芸能評論家として活躍した吉田留三郎氏に初めて連れてきてもらった。以前のようにカウンター席に座ってさえずり(鯨の舌)を頬ばると、「昔と同じ味です」と笑みを浮かべる。「吉田先生には法善寺横丁で一から酒を教わりました。酒を片手に演劇論に大衆音楽談議。青春時代の原点です」と懐かしむ。

 この街には江戸時代に道頓堀五座と芝居茶屋で育まれた伝統芸能と遊びの文化の土壌があり、明治や大正時代には映画やジャズが輸入された。

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