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【大阪府警パワハラ】「父のような警察官に」夢砕かれた息子、母の苦悩今も

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【大阪府警パワハラ】
「父のような警察官に」夢砕かれた息子、母の苦悩今も

大阪府警四條畷署=大阪府大東市深野 大阪府警四條畷署=大阪府大東市深野

 四條畷署に配属され、あこがれの刑事課勤務になって半年もたっていない。職場で何があったのか-。

 不信感を押し殺し、母が遺品整理のため刑事課を訪れると巡査部長の机に花があった。同署の幹部はそれを示して「有志からです」と説明した。そして「いろいろ聞いたが、自殺の理由は分かりません」と首をかしげた。真相解明に動く気配はなく、母は息子の後を追うことばかり考えていた。

 10月を過ぎたころ、風向きが変わった。府警本部が本格的な調査に乗り出した。当時の監察室の担当者が告げた。「お母さん、ご子息の最後の声を聞きたいと思います。必ず探します」

 いじめの実態が次第に明らかになった。支えだった家族の写真。それを貼ったスマートフォンの裏ぶたは刑事課の酒の席で、鍋の残り汁に投入された。

 次女の出産を控え、我慢しなければと余計に気負ったのだろう。同じ警察官の父を意識しすぎたのかもしれない。「もっと弱い子だったなら」と母は言う。

 悲嘆の中で、前を向くきっかけとなったのが公務災害の手続きだった。息子の妻と2人の孫娘のために、さまざまな書類作成を両親が代行した。書面のやり取りであっても、昔のように妻と会えることが何よりうれしかった。公務災害の補償金は、息子が愛する妻子に残した財産であり、償いでもあると感じている。

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