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【紀伊半島豪雨7年・奈良】大正6年創業「瀞ホテル」 歴史の奥深さを次世代へ  

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【紀伊半島豪雨7年・奈良】
大正6年創業「瀞ホテル」 歴史の奥深さを次世代へ  

食堂・喫茶「瀞ホテル」を営む東達也さん。地上2階からは渓谷の絶景を一望できる=奈良県十津川村 食堂・喫茶「瀞ホテル」を営む東達也さん。地上2階からは渓谷の絶景を一望できる=奈良県十津川村

 もっとも、営業再開には大がかりな改装を必要としたことから、飲食店としての再出発を決意。1階にあった和室の壁や戸を取り払い、テーブルと椅子を設置するとともに、流された別棟部分には景観を楽しむためのデッキを設けた。25年6月、名称はそのままに新生「瀞ホテル」をオープン。食事をしながら渓谷の壮観な眺めを楽しんでもらおうと、創業100周年を迎えた昨年春には、窓際をカウンター席に改装した。

 生まれ育った故郷の歩みを一から学び直したという東さんは「瀞峡の歴史の深さに驚かされた。世に出ることなく、埋もれているものを違った角度から見てもらいたかった」と話す。店内で木工体験のワークショップを開く一方、戦前の風景写真も展示。かつて村の基幹産業だった林業にも光を当て、瀞峡の知られざる一面を掘り起こした。

 東さんは将来的に、瀞ホテルを宿泊施設として完全復活させることを視野に入れている。

 「幼い頃、父親に連れてきてもらったという年配のお客さまもいる。業態は違っても、今の子供が大きくなったときに思い出してもらえるような場所にしたい」

 未曾有の豪雨災害をきっかけに命を吹き込まれた瀞ホテル。地域に欠かせぬ存在として、今後も歩み続ける。

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