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【高見国生の認知症だより(36)】兄は月1回来てスマホでゲームするだけ…それでも喜ぶ母、解決は?

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 前回に続き、きょうだいの話です。今回は兄と妹の2人きょうだい。

 2人の母親は、88歳で一人暮らしです。3年前にアルツハイマー病と診断されましたが、なんとか生活はできるので介護保険のサービスは使っていません。とはいっても、物忘れがあり、家事は十分にできないので、近くに住む妹が毎日訪ねて話し相手になったり世話をしています。

京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(80)が取り組んだ「メロンの涼感画」。メロンの切り口の形の面白さを観察し、半透明な紙に描いた(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供)
京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(80)が取り組んだ「メロンの涼感画」。メロンの切り口の形の面白さを観察し、半透明な紙に描いた(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供)

 兄は毎月1回、他県から片道2時間かけて母親を訪ねてきます。「お兄さんもやさしいですね」と私が言うと、妹は「違うんです」と言います。

 兄は来ても、私に対してはありがとうともご苦労さんとも言わずに、母親の世話は一切せずにスマホでゲームをしているだけ、と妹は言います。「兄は母親のこの家を狙っていて、自分も毎月訪問して介護したという実績を作っておきたいだけなんです」と。ところが母親はそんな兄でもやって来ると喜んで、うれしそうに兄の世話をやいているそうです。

 これは、母親の本能で、介護や家事を息子にさせないようにと気丈に振る舞っているのではないだろうか。だとすると、それは母親に生きる力を与えているとも考えられないか。母親からすれば、毎月訪ねてくれる息子と、こまごまと日常の世話をしてくれる娘がいるから安心して暮らせているのではないか、と私は思いました。

 しかし妹は、「それでは私だけの負担になる」と言います。それももっともな言い分です。私は、直に話し合うことを勧めました。

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