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【紀伊半島豪雨7年・奈良】円滑な連携 被災者の命救う 消防司令長「教訓が生きた」

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【紀伊半島豪雨7年・奈良】
円滑な連携 被災者の命救う 消防司令長「教訓が生きた」

甚大な被害を受けた奈良県五條市大塔地区で、捜索活動にあたる消防隊員ら=平成23年9月撮影(県広域消防組合提供) 甚大な被害を受けた奈良県五條市大塔地区で、捜索活動にあたる消防隊員ら=平成23年9月撮影(県広域消防組合提供)

 2市以外の県の大部分を管轄区域とする広域化は、全国でも異例だった。同組合では次なる大規模災害に備え、約100人の隊員が宿営できる資機材を搭載した「拠点機能形成車」や「高度救助隊」を整備。新たな組織づくりが進められた。

    

 そして今年7月、西日本豪雨が発生した。山本さんは県内消防隊員でつくる緊急消防援助隊県大隊の一員として、甚大な浸水被害を受けた岡山県倉敷市真備(まび)町で現場の指揮を執った。

 同月9日午後、同町呉妹(くれせ)地区で活動していた隊員から、「民家で黒煙が上がっている。住民の『助けて』という声も聞こえる」との無線連絡が入った。現場近くには県広域、奈良市、生駒市の各消防隊がいたが、山本さんは「広域で対応します」と真っ先に声を上げ、消防車を急行させた。木造2階建ての民家が激しく燃えていたが、けが人も出ず、約1時間半で消火活動を終えた。「7年前のような形で複数の消防が集まっていたら、指示系統が混乱して対応が遅れたかもしれない。普段から広域で連携していたのが功を奏した」。

 異常気象による豪雨や南海トラフ巨大地震など、未曾有の被害をもたらす大規模災害の発生が懸念されている。山本さんは「消防士として、いつ災害に襲われても対応できる組織づくりをしていきたい」と表情を引き締めた。

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