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【脳を知る】悪性脳腫瘍 開頭手術中に脳内に抗がん剤を直接置く「ウエハー」治療

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 そこで開頭手術で脳腫瘍を摘出後、摘出した所に固形の抗がん剤を直接置くという方法が考案されました。置いた抗がん剤が血液脳関門を通らずに、ゆっくり溶けて脳腫瘍細胞を攻撃します。注射薬に比べて副作用が少なく、高い濃度で脳腫瘍細胞に作用することなどが特徴です。

 放射線療法や化学療法などは手術後しばらくして十分体力が回復してから開始しないといけませんが、手術中に脳内に抗がん剤を置くことで、この治療空白期間にすでに抗がん剤治療が始まっていることも長所です。直径14ミリ、厚さ1・3ミリ(1円硬貨より少し小さい)の円盤状の抗がん剤(ウエハーといいます)が開発され、通常は脳腫瘍を摘出した所に、このウエハーを8枚置きます。

 しかしながら、このウエハーのみで悪性脳腫瘍が治ることはなく、あくまでも補助的な治療であり、放射線治療や化学療法は必要です。また、全ての悪性脳腫瘍に使用できるわけではなく、病理学的に悪性神経膠腫(こうしゅ)と診断された脳腫瘍にのみ使用可能です。課題があるものの、非常に魅力的なこの治療、和歌山県立医大でもウエハーを多くの悪性神経膠腫の患者に使用しています。

 (和歌山県立医科大学 脳神経外科 准教授 藤田浩二)

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