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【夕焼けエッセー】負けてられない 

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 「サッカー選手になる」。それが、僕の子供の頃からの夢だ。父の影響で幼稚園の頃からサッカーを始め、父と弟と3人で日が暮れるまでボールを追いかけていた。

 現在、僕は高校でサッカー部に所属している。しかし、ひたすらサッカー選手を目指していた子供の頃とは違い、だんだんその夢が遠くなっていくのに気付き始めた。最近では進路を考えるとき、会社に就職し普通のサラリーマンとして働いている自分の姿を想像してしまう。同年代でサッカーをやっていた人たちが次々とプロになり活躍している姿を見ると、焦りというより少し諦めという気持ちが強くなっていくのを感じた。

 そんな中、弟がU-16の日本代表として選ばれた。小さい頃から一緒にやってきた兄としては素直に誇らしい。一方で、自分はこのまま諦めてしまっていいのかと思い始めた。

 「兄が弟を引っ張る」。それが今までの常だった。しかし、今は弟に引っ張られている。それはそれで悪くないのかもしれない。でも、兄としてこのまま引っ張られたまま諦めるわけにはいかない。

 時刻は夜の9時。僕は夜の公園に1人でいる。となりに弟がいることを想像する。僕が弟にパスを出す。そのボールは弟の足下に渡り、もう一度僕の方に戻ってくる。それを何度か続けたあと、最後に僕がゴールへと蹴り込みシュートを決める。いつかこの想像が現実になることを夢に見て。

唐山明大 (17) 高校生 大阪府豊中市

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