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【紀伊半島豪雨7年】復興の夢、必ず-母と祖母を失った女性、自宅跡地で「夢のきくらげ」栽培

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 紀伊半島豪雨で母と祖母を亡くした和歌山県田辺市出身の山本真耶さん(22)が土砂崩れで全壊した自宅跡地でキクラゲ栽培に取り組んでいる。復興への願いを込めて付けたブランド名は「夢のきくらげ」。家族との思い出が詰まった大切な故郷の再生に向けたシンボルになりつつある。(永原慎吾)

洗ったキクラゲを干し、出荷準備を進める麻耶さん=8月、和歌山県田辺市
洗ったキクラゲを干し、出荷準備を進める麻耶さん=8月、和歌山県田辺市

 花びらのような白いキクラゲが一つ一つ丁寧に洗われ、輝きを帯びていく。8月下旬、同市伏菟野(ふどの)地区にあるキクラゲ栽培用ビニールハウスの近くで慌ただしく出荷に向けた作業をする真耶さんの姿があった。

 穏やかなこの地区を激しい豪雨が襲い、土砂が真耶さんが住んでいた自宅ごとのみ込んだのは7年前の9月4日未明のことだ。自宅にいた真耶さんと父親の頼(より)路(みち)さん(49)は崩れた屋根から脱出し、弟の凌太さん(18)も無事だったが、母の郁代さん=当時(38)=と祖母の正江さん=同(69)=は逃げ遅れ、がれきの下から変わり果てた姿で見つかった。

 当時、高校生で反抗期を迎えていた真耶さんは郁代さんとぶつかることが多く、被災前夜もささいなことで口論をした。「普段からもっとちゃんと向き合えばよかった…」と後悔にさいなまれた。

 料理上手だったという郁代さん。真耶さんは、しょうゆ風味の甘辛い卵焼きが大好きだった。被災から約1カ月後、ふと母の味が恋しくなり、学校の家庭科室で作ったが、慣れ親しんだ味を再現することはできなかった。「もうあの卵焼きは食べられないんだ」と思い、涙があふれたという。

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