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【正木利和のスポカル】不思議の国から飛び出すアリス chiaki kohara

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 さらに、画面に顔を近づけると、描かれた女の子の顔は傷つきデコボコしていることに気づくはずだ。きっとイメージにあわなかったのだろう、カッターで切ったりはったりして描かれた痕跡は、ちょっと心の傷跡にも見える。

 彼女は言った。

 「絵って、とても泥臭くて、葛藤して、悩んで、生々しくて、リアル」

 少女趣味的愛らしさは、ほんとうは、こんな風にもがきながら生まれてきた。

 「そうした絵はいっぱい描いてきました。でも過程が見えない絵はおめかしした状態。だから、これからはもっと見る人の心を揺さぶるようなリアルタイムでのパフォーマンスをやっていきたいと思っています」

 たとえば、会場のお客さんからもらった絵の具で描いたり、持っている紙袋をキャンバスに張り付けたり…。

 「みんなで作り上げる参加型のショー。アートとエンターテインメントの融合をしてみたい」

 住み慣れた不思議の国から、アリスは飛び出そうとしている。

▼chiaki kohara(チアキ コハラ)の個展「グリモワール」@DMO ARTS(9月6日まで、外部サイト:https://dmoarts.com/ )

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正木利和 正木利和 産経新聞文化部編集委員。大阪新聞から産経新聞社会部、運動部、部長を経て現職。運動部歴25年目となった秋、念願かなって美術担当に。好きなものは以下の通り。富岡鉄斎の絵、ジャランスリワヤの靴、よく墨のおりる端渓硯(たんけいけん)、勇敢なボクサー、寡黙な長距離走者、「水曜どうでしょう」について語り合うこと。当コラムは、スポーツの話題にときどきカルチャーを織り交ぜて、「スポカル」。以後、おみしりおきを。

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