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貴重な洋館が倒壊危機 個人所有で文化財指定できず、99年間無人のまま劣化進み…兵庫・明石

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 兵庫県明石市に大正8年に建てられた邸宅「安藤家洋館」が、市の文化財の候補になっているにもかかわらず、指定に必要な所有者の同意を得られないまま劣化が進み、倒壊の危機に陥っている。個人所有の住宅は資金面などから保存が困難で、文化財としての価値がありながらも姿を消しつつある建物が各地にある。専門家は「行政だけに頼らず、地域を巻き込んだ保存活動が必要」と指摘する。(坂田弘幸)

大正時代に建てられ、無人のまま劣化が進む安藤家洋館=兵庫県明石市
大正時代に建てられ、無人のまま劣化が進む安藤家洋館=兵庫県明石市

 安藤家洋館は、海運業で成功し、日本汽船問屋業同盟会長や衆院議員を務めた安藤新太郎(1868~1919年)が政界引退後に故郷で暮らすための邸宅として建てられた。

 東大寺大仏殿の保存修理などにあたった地元出身の建築家、加護谷祐太郎が設計を担当。石造りの2階建てで、2段階に勾配がきつくなっている屋根には緑色のスペイン瓦がふかれており、3連の丸窓が目を引く。玄関部分にはルネサンス様式の柱が使われるなど、当時としては最先端の「ハイカラ建築」だった。

 しかし、新太郎が完成間近で急逝したため、邸宅は新太郎の葬儀が行われた後、99年間無人のままで放置されている。このため、建物は外壁がはがれ、屋根は一部で瓦が落ちている状態で、内部も確認できていないが相当に劣化が進んでいるとみられる。

 敷地内には洋館建設に併せて新太郎の別邸から移築された明治天皇が行幸の際に休息された書院もあるが、こちらも傷みが目立っている。

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