PR

産経WEST 産経WEST

【高校野球】仁王立ち、甲子園に闘志 智弁和歌山・高嶋監督勇退

今夏の甲子園大会でベンチに立った智弁和歌山の高嶋仁監督。最後の雄姿となった(松永渉平撮影)
Messenger

 高校野球の強豪校・智弁和歌山(和歌山市)を長年率いて、甲子園大会で春1度、夏2度優勝を果たした高嶋仁監督が、72歳でユニホームを脱いだ。退任は少し前から決めていたといい、25日の記者会見で「いずれ辞める時が来ると思っていた。『もうぼちぼち』ということ」と語る表情はさっぱりとしていた。

 これまでも、体調や年齢を理由にたびたび退任の意向を示してきたが、その都度、学校から慰留され、現場に踏みとどまってきた。しかし、今年の夏の甲子園100回大会に出場できたことを機に、踏ん切りがついた。

 みなぎる闘志を胸に、球児を指導してきた。2010年の選抜大会で通算59勝目を挙げ、甲子園史上最多勝監督となってからも、自らを奮い立たせるように「まだ上がおるから」と語ってきた。

 福井商(福井)の監督として甲子園に計36回出場した北野尚文氏(2011年3月で勇退)の最多出場回数記録を追いかけ、今春の選抜大会で、この記録を追い抜いた。近年は「大阪桐蔭をやっつけないといかん」と、20歳以上年齢の離れた大阪桐蔭・西谷監督にライバル心を燃やした。

 自身の高校時代は海星(長崎)で1963、64年に夏の甲子園に出場。「入場行進で足が震えたほどの感動を自分以外にも経験してほしい」との思いを抱いた。選手に強烈なノックの雨を浴びせて鍛えたのも「日々の厳しい練習は、甲子園に出るためのものではない。甲子園で勝つためにやるもの」。ベンチの前で仁王立ちし、指揮をふるう姿は甲子園での風物詩にもなった。

 甲子園で3度の優勝を果たしたが、グラウンドでの胴上げはかたくなに断った。「高校野球は謙虚さが大事。相手があってのゲームだから」。敗戦校への配慮を忘れず、真摯(しんし)に野球に向き合ってきたからこその姿勢だった。(上阪正人)

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ