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【西日本豪雨】名産カキにも被害、生産量日本一の広島・呉市

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【西日本豪雨】
名産カキにも被害、生産量日本一の広島・呉市

黒瀬川河口付近に設置されたカキの養殖に使われる棚。倒壊や土砂の堆積が目立つ=1日、広島県呉市 黒瀬川河口付近に設置されたカキの養殖に使われる棚。倒壊や土砂の堆積が目立つ=1日、広島県呉市

 西日本豪雨で生産量日本一の広島県呉市のカキ養殖に被害が出ている。河口付近で養殖に使われる棚の15%が倒壊。土砂も堆積し、今後の成長への影響が懸念される。市の担当者は「生産量が減少する可能性もある」と懸念を強める。

 農林水産省の漁業・養殖業生産統計(平成28年)によると、広島県の養殖カキ生産量(殻付き)は全国1位の9万5634トンで、宮城県が1万9061トンと続く。呉市の生産量は広島県内で最多の2万2966トンと、宮城県を上回っている。

 被害が集中した黒瀬川河口付近ではカキの稚貝を付着させたホタテの貝殻をつるすための棚がなぎ倒された。大半は貝殻をつるす前だったが、養殖業の男性は「ここまでの被害は初めて。すぐに復旧はできないので徐々に直していくしかない」とこぼす。

 養殖業寺谷博志さん(53)の棚の周辺では1メートル近く土砂が積もり、貝殻をつるすのに十分な高さの確保が困難になった。「一番困るのが土砂だ。行政に取り除いてほしい」と訴えた。

 黒瀬川河口から北東約15キロ。三津口湾周辺で地域ブランド化を目指す「金田水産」も打撃を受けた。カキを太らせるために沖に設置した棚の一部が近くの川から流れ込んだ流木に押されて壊れた。こちらも貝殻をつるす前だったためカキに影響は出ていないが、今後も土砂が流れ込めば稚貝が窒息する可能性もある。

 市農林水産課によると、市内のカキ養殖業者約60のうち過半数に被害が出て、損失は約5550万円に上った。業者から要望の強い土砂のしゅんせつはさらに億単位の費用がかさむ上、実現の見通しはまだ立っていない。担当者は「2年先の収穫時の影響はまだ分からないが、生産量が減少する可能性はある」と懸念している。

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