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【台湾の臨床仏教(中)】「在宅」に僧侶派遣、押しつけず寄り添う

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 渋谷さんが「死ぬのは怖くないですか?」と問いかけても、葉さんは「ノー」と即答した。

訓練されたボランティアを活用

 大下さんと渋谷さんはその後、大悲学苑の臨床仏教宗教師で尼僧の宗惇(そうじゅん)法師(54)からアドバイスを求められた。

 宗惇法師が「葉さんは表向き穏やかだが、容体が悪くなると辛さが出てくるのではないか」と不安を口にすると、大下さんは「自然のままで死を迎えるという覚悟が、揺らぐかどうかでしょうね」と応じた。

 渋谷さんは「私たちが初対面でもお話を聞けたのは、ボランティアのみなさんが信頼関係を築いているから。普段のケアがすばらしいのだと思いますよ」と励ました。

 大悲学苑のボランティアは、傾聴や仏教学に関する1年間の研修を受けてから現場に出る。これまでに約60人が養成され、僧侶の支えでみとりを経験した遺族が恩返しとして志願したケースも多いという。

 訓練されたボランティアがチームの一員となることで、仏教精神を生かしつつも仏教を押しつけないケアが可能になる。それは、日本の臨床宗教師が相手の価値観を尊重したケアに徹する姿勢と共通している。

 約半年が過ぎ、葉さんは体調が悪化したが、僧侶が訪ねることを許さなかった。「心境の変化があるかもしれないので、私たちは機会を待っています」。宗惇法師はケアをボランティアに任せ、裏方に徹していることを明かした。   (小野木康雄)

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