PR

産経WEST 産経WEST

【西日本豪雨】続く鉄道網の寸断 貨物列車も運休、代替輸送能力は被災前の13%…赤字路線「廃線になるのでは」と不安

Messenger
土砂崩れで線路が崩れたJR山陽本線。下の道路も崩れている=12日、広島県東広島市(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)
土砂崩れで線路が崩れたJR山陽本線。下の道路も崩れている=12日、広島県東広島市(本社ヘリから、鳥越瑞絵撮影)

 JR西によると、豪雨により近畿・中国地方の鉄道は7月11日時点で12路線15区間が運休。施設被害も279カ所で確認された。JR西は、電源設備が水没し復旧まで1年以上かかるとしていた木次(きすき)線出雲横田-備後落合間について、被害を受けていない路線から電源ケーブルを引くなどして8月上旬に運転を再開。山陽線なども当初より1カ月前倒し、10月中に全線復旧させるとしている。

 ただ、運休が長期化している沿線住民の間からは、「このまま廃線になるのでは」との懸念の声が漏れる。JR西は各路線の収支を公表していないが、採算ラインは1日1キロ当たりの平均利用者数を示す輸送密度で2千人以上。平成28年の芸備線備後落合-三次間の輸送密度は225人、福塩線塩町-府中間は206人で、いずれも「赤字路線」だ。

 災害に伴う赤字路線の廃線をめぐっては、岩手県のJR岩泉(いわいずみ)線が22年に発生した土砂災害の影響で4年後に廃線。東日本大震災の津波被害を受けた東北地方を走る大船渡線の一部と気仙沼線は、バス高速輸送システムに切り替えられた。

▼安藤美姫さんが義援金贈呈 被災者の支援に 広島県庁

 赤字路線は山間部や海沿いにあることが多く、土砂を撤去するための重機が地形的に搬入しにくいなどの問題がある上、復旧には周辺の河川などを管理する国や自治体との調整が必要になる。実際、橋が流失した芸備線では河川の防災対策と一体となった鉄道の工事計画を練る必要に迫られており、沿線の自治体などはJR西に路線存続を求める要望書を提出している。

 地方にとって、鉄道は欠かせないインフラだ。鉄道アナリストの川島令三さんは「鉄道を失った地方都市は、観光客の減少や人口流出などで急速に衰退するケースが多い。街の玄関口である駅がなくなれば地図に地名が掲載されなくなるなど交通手段以外の役割も大きく、存続はまさに死活問題だ」と指摘する。

(前川康二)

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ