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【西日本豪雨・想定外クライシス】(5)過去にも水害犠牲者 土地への知識が命を守る

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 「もう少し早く工事が始まっていれば…」

 ハザードマップで示された浸水範囲や規模がほぼ一致していたにもかかわらず、多数の犠牲者が出た岡山県倉敷市真備(まび)町。合併前の旧真備町の元町議、黒瀬正典さん(65)は、悔しさをにじませた。

 東を1級河川の高梁(たかはし)川、南を支流の小田川に囲まれた真備町は、もともと洪水に悩まされてきた土地だった。2つの川の合流地点付近は湾曲しており、大雨で増水すれば支流の流れをせき止め、堤防が決壊してしまう。昭和47年と51年にも水害で犠牲者が出た。

 古くから住む住民らは国に、抜本的な治水対策を要望し続けてきた。平成12年に町議になった黒瀬さんも地権者との交渉などに奔走。そのかいあって国土交通省は、2つの川の合流地点を湾曲部より下流に付け替える方針を決めた。今年秋に工事が始まる予定だったが、皮肉にもその直前、未曽有の豪雨に襲われた。

低かった危機意識

 黒瀬さんによると、真備町は高度成長期の昭和40年代、周辺の工場地帯の発展に伴い人口が増加。九州や四国から働きに出てきた人々が、地価が安かった真備町に次々と一軒家を構え、定住したという。だが、昔から水害に悩まされてきた土地の危険性について、こうした人々はどこまで認識していただろうか。

 同町の箭田(やた)地区に住む安藤三十士(みとし)さん(79)もそんな一人だった。自治会長から避難を求められたときも、「雨も大したことないし、大丈夫だろう」と、楽観的だった。

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