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【和歌山毒物カレー事件20年(上)】いじめ、婚約破談…死刑囚の息子、逃れられない十字架 「母信じたいが…」消えぬ苦悩

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 異様な生活の原資は保険金詐欺で賄われていた。健治さんはシロアリ駆除の仕事をしていたことがあって薬剤の知識があり、昭和63年ごろに自らヒ素をなめて高度障害の認定を受けることで約2億円の保険金を手にした。その後も保険外交員だった真須美死刑囚とともに詐欺を繰り返した。

 「『これぐらいだったら心配ない』という分量が分かっていた」と話すのは現在も同市内で暮らす健治さん。健治さんは、当時ヒ素を「仮病薬」と呼んでいたという。

 だが、ヒ素が悪用されたカレー事件の捜査で、ヒ素と接点があったこの夫婦が浮上。さらに真須美死刑囚は事件当日、カレー鍋の見張りをしていたことから「疑惑の主婦」としてメディアに追われる存在となった。

 「ママがやったん?」。当時、小学生だった和久さんはこう尋ね、「やるはずがない」と否定されたこともあった。両親が逮捕されたのはカレー事件の約2カ月後。母が和久さんに「絶対行く」と約束していた運動会の当日だった。

■ ■ ■

 「ボクちゃーん」。今年6月、大阪拘置所(大阪市都島区)でアクリル板ごしに和久さんと面会した真須美死刑囚は、手を振りながら陽気な声を上げた。だが、声とは裏腹に事件当時、ふくよかだった体型は体重が40キロも落ちたという。髪もすっかり白髪となり、上の歯は全て抜け落ちていた。

 和久さんはこれまでも年に1回ほど真須美死刑囚との面会は重ねてきた。時間は限られており、ほとんどは子供のころの思い出話や他の家族の近況などの話題が大半だったが、今回の面会ではカレー事件の真相について尋ねることを決めていた。和久さんは真須美死刑囚をまっすぐ見つめ、「カレー事件のことだけど、本当にやっていないの?」と切り出した。

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