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【関西の力】ホールガーメント(1)「紀州のエジソン」が生み出した宇宙船内服 縫い目なく動きやすい

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島精機のホールガーメント横編み機。機械の中で身頃と袖を立体的に編み上げ、約30分で1枚のセーターが完成する=和歌山市の島精機製作所(山田哲司撮影)
島精機のホールガーメント横編み機。機械の中で身頃と袖を立体的に編み上げ、約30分で1枚のセーターが完成する=和歌山市の島精機製作所(山田哲司撮影)

宇宙飛行士、山崎直子さんも着用

 完成した宇宙船内服は、2010年にスペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗した山崎直子さん(45)ら3人の宇宙飛行士が実際に宇宙で着用した。山崎さんは「15日間のミッション中、何度も着用した。無重力状態でも着やすく、腕も動かしやすくて快適だった」と振り返る。

 JAXAでは、さらに発展的な研究が続けられている。それは、宇宙空間で作業をするための船外作業服(宇宙服)。わずかな縫い目の有無が動きやすさを左右することに気付き、JAXAきぼう利用センター計画マネージャの山口孝夫さん(59)が再び島精機の協力を求めた。

 「日本の技術を結集し、米露が手がけた現在の宇宙服よりも優れた宇宙服を作りたい。まだ基礎研究の段階だが、ホールガーメントの技術があれば、何とかなるかもしれない」と山口さんは力を込める。

革新的な技術は繊維業での事故が発端

 ホールガーメントは、島精機が1995年、イタリア・ミラノで開かれた第12回国際繊維機械見本市「ITMA’95」で発表した。

 従来のニット商品の製造は、まず1本の糸で生地を編むことから始まる。そこから裁断するなどして身頃と袖を作り、最後に縫製して完成させるのが基本だ。

 一方、ホールガーメントの技術を使った機械では、3本の糸を使い、一度に両袖と身頃を編む。そして立体的に完成した形で機械から出てくる。編み地をカットして身頃と袖などを成形する方法では約30%が無駄になってしまうが、こうしたロスがない。さらに、縫い代がないためごわつきがなく、シルエットが美しく体も動かしやすい。ほころびもでにくい。そんな革新的な技術は世界のファッション業界に衝撃を与えた。

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