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【関西の力】ホールガーメント(1)「紀州のエジソン」が生み出した宇宙船内服 縫い目なく動きやすい

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【関西の力】
ホールガーメント(1)「紀州のエジソン」が生み出した宇宙船内服 縫い目なく動きやすい

 関西の中でも温暖な和歌山。その気候や風土は綿花の栽培に適し、江戸時代から繊維業が発展した。そんな和歌山に、「東洋のマジック」とも称される、画期的なニット編みの技術がある。脇や袖などの「縫い目」がまったくない製品を自動で編み上げる「ホールガーメント」の技術だ。和歌山市の編み機製造メーカー「島精機製作所」が約20年前に発表した。その技は、パリやミラノの高級ブランドでも採用され、ついに宇宙にも飛びだしている。

ホールガーメント技術を使った宇宙船内服を着た山崎直子さん。日本女子大の多屋淑子教授が主宰した「近未来宇宙暮らしユニット」に島精機が参加し、研究開発した(J-Space提供) ホールガーメント技術を使った宇宙船内服を着た山崎直子さん。日本女子大の多屋淑子教授が主宰した「近未来宇宙暮らしユニット」に島精機が参加し、研究開発した(J-Space提供)

糸くずゼロ 編み機製造メーカー「島精機精製作所」の誇る技術

 東京都千代田区にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所のエントランス。そこには宇宙服に身を包んだマネキンが展示されている。宇宙飛行士が宇宙船で快適に過ごすための宇宙船内服と、暑い環境で作業するための冷却ベスト。これらをよく見ると、どこにも縫い目がない。ホールガーメントの技術が使われているのだ。

 研究開発したのは、日本女子大学の多屋淑子教授(衣環境学)が主宰した「近未来宇宙暮らしユニット」。同ユニットはJAXAと同大学、繊維メーカーやスポーツ用品メーカーなど企業が参加し、船内服の着心地を研究。「微小重力環境でも身体を圧迫することなく、自然な動作をするには、縫い目や縫い代のない衣服にする必要がある」との視点から、ホールガーメントの技術に白羽の矢が立ち、島精機もユニットに参加した。

 縫い目がないということは、体に余計な負荷がかからないだけでなく、縫い代がないため糸くずが発生しない。換気のできない宇宙船内では、フィルターにほこりを集めて除去するが、糸くずが多いとフィルターが詰まってしまうのだ。

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