産経WEST

【痛み学入門講座】指のしびれや痛み「手根管症候群」

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【痛み学入門講座】
指のしびれや痛み「手根管症候群」

 初期には親指、人さし指を中心に痺(しび)れや痛みを感じるようになり、いずれ中指、薬指の親指側に広がる(手の甲には起こらない)。症状は寒い明け方に強く、手を振ることで軽快するのが特徴である。進行すると母指球筋(親指の付け根の筋肉の膨らみ)が痩せて、いわゆるOKサインができなくなり、「猿手」と呼ばれる状態を呈するようになる。重症化するとボタンをかけたり、箸(はし)を持つといった日常生活動作が困難となる。

 簡単な診断法には、手根管部を軽く叩(たた)くと指先に痛みが走り=ティネル徴候(ちょうこう)と呼ぶ、同じく手根管部を押さえると痺れが強くなる=ダンカン徴候、指を下に向けて両手の甲を併せていると約1分後に症状が出現すること=ファーレン試験=の確認がある。手首の骨の状態をみるエックス線検査や神経伝導速度の測定も併せて行う。

 治療の原則は、手の使い過ぎに注意して、安静を保つことである。整形外科では手関節の固定、鎮痛薬の投与、場合によっては手根根開放術(内視鏡下の手術を含めて)などが行われている。手関節の固定の有効性については、米国・ジャクソンビル海軍病院のビエラ医師が「発症後3カ月以内の固定がより有効」としている。私の施設では、手根管内への局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬の注入を行っている。(近畿大学医学部麻酔科教授 森本昌宏)

「産経WEST」のランキング