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【今週の注目記事】「歴史認識」が〝裏テーマ〟、宗教界の日中韓サミット8月末開催…激変する半島情勢で決められることは?

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【今週の注目記事】
「歴史認識」が〝裏テーマ〟、宗教界の日中韓サミット8月末開催…激変する半島情勢で決められることは?

宗教界の日中韓サミットとして、各国の宗教者・宗教学者らが対話した昨年の「韓国宗教平和国際事業団(IPCR)国際セミナー」。これまでの会合では歴史認識やイデオロギーの違いが鮮明になってきたが、今年は米朝首脳会談後の激変した朝鮮半島情勢の中で開催される。日本側の代表者からは、今後のセミナーの在り方を見直すべきだという声も上がっている=2017年7月、韓国・釜山(WCRP日本委員会提供) 宗教界の日中韓サミットとして、各国の宗教者・宗教学者らが対話した昨年の「韓国宗教平和国際事業団(IPCR)国際セミナー」。これまでの会合では歴史認識やイデオロギーの違いが鮮明になってきたが、今年は米朝首脳会談後の激変した朝鮮半島情勢の中で開催される。日本側の代表者からは、今後のセミナーの在り方を見直すべきだという声も上がっている=2017年7月、韓国・釜山(WCRP日本委員会提供)

 今年4月、中国当局は21年ぶりとなる宗教政策に関する白書を公表。「中国の国情に合致した宗教思想」を積極的に模索しなければならないと主張した。

 実際、セミナーの中でカトリック系の代表者は「中国の宗教界は、中国政府の立場を完全に支持する」と強調。学術系の代表者は「中国のほとんどの人民は共産主義を信仰している」とした上で、宗教の信仰が「健全」でなければ社会がとんでもない方向に進んでしまう-と指摘した経緯がある。

 信教の自由が必ずしも保障されていない中国代表の宗教者・宗教学者は、政府の代弁者とならざるを得ない。民間外交としてのセミナーが、成立しなくなる恐れすらあるのだ。

「宗教間対話にもしたたかさを」

 IPCR国際セミナーのこうした在り方に疑問を呈し、改善を提言するのが、昨年に続いて今年も日本代表の一人として参加する金子昭・天理大おやさと研究所教授(倫理学)だ。

 金子教授は「宗教者は国益の代表者でない。また、国益に反することは言うべきではない」と指摘する。

 人智を超えた神仏は、国境をはじめとして、人間が縛られるあらゆる物事を超越できる。どんな宗教者の信仰にも本来はそうした側面があるはずなのに、中国は共産主義に、韓国は歴史認識にとらわれすぎている、という問題提起だ。

 とりわけ、韓国に対しては「歴史認識は違って当然なのだから、ストーリーではなく事実に基づいて議論すべきだ」と語る。

 一方で、日本の宗教者・宗教学者が中韓に反論せずに迎合するような発言は、避けるべきだという。「宗教者といえども、異なる国と対話をするには、中韓のようなしたたかさを身につけねばならない」。戦争責任や反省についても、言葉による謝罪ではなく、宗教者ならではのカリスマ性や人間的な魅力で伝えていく方法を模索してはどうかと提案する。

 セミナーについて、金子教授は「宗教間対話を成立させようという努力の積み重ねによって、日中韓に細くて大切な糸がつながってきた」と一定の評価をした上で、こう話す。

 「この糸は切れやすい。しかし、ただ単につないでおくだけで良しとせず、日本にたぐり寄せようとする努力も必要だ」

(8月7日掲載)

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