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【高見国生の認知症だより(23)】運転問題、法だけでは…「ああそうか」となるなら苦労はせぬ

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【高見国生の認知症だより(23)】
運転問題、法だけでは…「ああそうか」となるなら苦労はせぬ

 高齢者による交通事故を防止するためとして、昨年3月に改正道路交通法が施行されました。75歳以上の人は免許更新時などに認知機能検査が義務付けられ、その結果により、医師の診察で認知症と診断されると、免許取り消し(停止)となります。

 しかし、「これで認知症の人の運転問題は解決」と思うのは、いかにも役所的発想。「お父さん、免許証がなくなったからもう運転はできない」「ああそうか、仕方がないな」となるのなら、家族は誰も苦労はしません。

京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(85)による「アナログアニマルワールド」。動物の模様の写真から、有機的に広がる線と形を楽しみながら描いた(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供) 京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(85)による「アナログアニマルワールド」。動物の模様の写真から、有機的に広がる線と形を楽しみながら描いた(「京都<臨床美術>をすすめるネットワーク」提供)

 家族が最も苦労するのは、「自分は大丈夫」などと言う人にどうやって運転をやめてもらうか、ということなのです。例えば、鍵を隠したり車を見えないようにしたりして、車のことを忘れさせる。医師や元上司、信頼する友人などから説得してもらう。かわいがっている娘や孫からやめるように頼んでもらう、など家族はいろいろ工夫していますが、なかなか難しい。家族が廃車にしたら本人が翌日買ってきた、という話もあるくらいですから。ここを家族任せにしない手立てが必要です。

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 それとともに深刻なのは、認知症の人が運転しないと家族の生活が成り立たない場合です。通院や買い物などができなくなる。家族も、背に腹は変えられないと考えてしまう…。これには、社会の対応が絶対に必要です。車がなくても暮らせるような仕組みがなければ、家族は本人の運転に頼らざるをえません。

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