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【関西の力】ハイテク素材(4)世界を席巻したイザナミの糸 色つけられぬ“落ちこぼれ繊維”を逆手に

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 兵庫県・西宮港の堤防。かすかに伝わってきた振動に合わせて釣りざおをあおった。「ちょっと早かったな」。西宮市の会社員(40)は、引き上げた釣り糸を手に苦笑いを浮かべた。

糸を使った製品
糸を使った製品

「スーパー繊維」 高い強度と耐久性

 ただ、この糸ならではの失敗だとも思っている。「強度があり伸びにくいので、わずかなアタリ(糸に伝わる魚の動き)も見逃しにくい。特に上級者が愛用している」という。

 糸の素材は、世界中の釣りマニアを魅了する東洋紡(大阪市)の「イザナス」。化学繊維の中でも極めて高い強度や耐久性を持つスーパー繊維の一つだ。

 世界の釣り人口は欧米を中心に5億人。「中国や東南アジアでは趣味や娯楽にお金をかける人が増え、釣り人気は今後さらに高まる」と東洋紡スーパー繊維事業統括部の藤井俊哉部長は期待している。

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 イザナスの強度は、同じ重さのピアノ線の約8倍で、直径1センチのロープにすれば約20トンまでつり下げられるという。30万トン級の超大型船を港に係留するロープなどにも使われる。

 だが、開発当初は「落ちこぼれ」とみられていた。

短所を長所に

 イザナスは、オランダの化学大手DSMが特許を持っていた繊維が元となっている。当初は「ダイニーマ」という名称だった。軽くて丈夫な半面、染色が難しく製品化されていなかった。1980年代前半、東洋紡は「次世代の主力繊維になり得る」とにらみ、共同開発に乗り出した。

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