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【浪速風】もうすぐお盆 空襲下で日本人の死生観を解き明かした柳田国男(8月8日)

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【浪速風】
もうすぐお盆 空襲下で日本人の死生観を解き明かした柳田国男(8月8日)

初版本の表紙(右)と扉(遠野市立博物館提供) 初版本の表紙(右)と扉(遠野市立博物館提供)

 近くの霊園を散歩した。セミの声だけが聞こえる。なぜか猛暑がやわらぎ、お墓はいずれも見ず知らずだが、亡くなった人たちと会話している気分になる。「死後の観念、すなわち霊は永久にこの国土のうちに留まって、そう遠くには行ってしまわないという信仰が、かなり根強くまだ持ち続けられている」

 ▼民俗学者の柳田国男は「先祖の話」(角川ソフィア文庫)で、日本人の死生観を解き明かした。死後の世界は間近にあって、故郷の山々から子孫を見守り、正月や盆には「家」に帰ってくる。「日本人が最も先祖の祭を重んずる民族であったことは、汎(ひろ)く海外の諸国にまで知られている」

 ▼昭和20年4月から5月末にかけて、繰り返される東京大空襲の下で書き上げた。もはや敗戦を覚悟していた。「国のために戦って死んだ若人だけは、何としても無縁ぼとけの列に、疎外しておくわけには行くまいと思う」という一文は重い。8日は柳田の命日である。

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