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【関西の力】ハイテク素材(2)B787機の半分は東レの炭素繊維 米国抜いた大阪の技術

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東レの炭素繊維が採用されたボーイングの中型機「B787」の主翼=名古屋市の三菱重工大江工場
東レの炭素繊維が採用されたボーイングの中型機「B787」の主翼=名古屋市の三菱重工大江工場

工業化への道

 現在、炭素繊維の世界市場では、東レと帝人、三菱レイヨンの日系3社がシェア7割超を握る。だが開発の初期、先頭を走っていたのは米国だった。

 1958年、米化学メーカー、ユニオンカーバイドの子会社が、木材パルプを主原料とするレーヨン(人造絹糸)を高熱で加工し炭素繊維を生産することに成功。国を挙げて宇宙開発に取り組む中、軽量で過酷な環境に耐えられる素材として注目された。

 その米国を、大阪工業技術試験所(現産業技術総合研究所)の進藤昭男博士(1926~2016年)が一気に追い上げた。レーヨンよりも合成繊維のアクリルで作った炭素繊維の方が優れていることを明らかにし、1961年に製造原理を発表。工業化への道を開いたのだ。

 バトンを引き継いだのが東レ。71年に創業の地、滋賀県の製造拠点で初めてアクリルを使った炭素繊維の本格生産にこぎ着けた。繊維産業が朝鮮戦争特需の反動による不況を経て、合成繊維へと軸足を移す時代だった。

日本のものづくり代表する素材

 「アクリルは自社製品としてすでにあったので開発がしやすかった」と東レの炭素繊維生産を担当する近藤敏行取締役は指摘する。「進藤博士の原理がなければ、現在の炭素繊維は存在しえない」

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