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【瀬戸内家族】益荒男姿 今後のさらなる存続を願い 写真家・小池英文

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【瀬戸内家族】
益荒男姿 今後のさらなる存続を願い 写真家・小池英文

益荒男姿はかつての水軍をしのばせる 益荒男姿はかつての水軍をしのばせる

 引き続き、因島(広島県)の椋浦(むくのうら)で毎年行われる「法楽踊り」についてもう少し記してみよう。

 まず、この法楽なる言葉だけれど、これは仏の教えを信じ、行動で示すことによって得られる喜びや楽しみを意味する仏教用語だという。村上水軍が出陣の際に士気を高めるために始まったこの踊りも、時代が下り世の中が平穏になるにつれ、五穀豊穣や無病息災を祈る宗教行事へと意味合いを変えてゆく。つまり「法楽」として世に残すことで、血気盛んな水軍の末裔たちを善導しようと試みられたようだ。

 写真はその末裔たちの今日の姿になる。踊りの装束はこのように薄化粧を施すのが特徴だ。これに浴衣、袴、襷(たすき)、鉢巻、手甲(てこう)、脚絆(きゃはん)などで身を固め、手には太刀と日の丸の扇子を掲げ持ち、出陣さながらの出立ちで円陣を組んで跳ね回る。その姿は海賊と呼ばれた往時の水軍をしのばせるとても勇壮なものだ。

 ある年行事を中止したところ、疫病が蔓延し多くの犠牲者が発生したという伝聞があり、それを教訓に今日まで継承されてきた椋浦の法楽踊り。こうした親子の益荒男(ますらお)姿をいつまで見ることができるだろうか。

 踊りに巡り会えた喜びと、今後のさらなる存続に願いを込めてシャッターを切った。

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