PR

産経WEST 産経WEST

【理研が語る】自然災害と頭の中身、サンプルや顕微鏡が流されたら…

広島拠点で活躍している超解像顕微鏡。自分たちで改造も施した、唯一のもの
Messenger

 ここ近日に発生した大阪を中心とした地震や、中国地方を襲った豪雨とこれに伴う土砂災害での被害に心を痛めております。被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 理化学研究所は、今年3月、広島県東広島市に広島大学との共同研究拠点を設立した。今回の豪雨災害は拠点開設以来、初めて直面した大災害となった。幸いなことに研究施設には大きな被害もなく、通常通りの研究活動を継続している。

 7月6日の豪雨の日、東広島では、バケツをひっくり返したような雨が断続的に降り続いており、私は猛烈な湿度にイライラしていた。湿度は顕微鏡にとって敵なのだ。内部にあるカメラが結露したり、フィルターが劣化したりと良いことがない。だから、顕微鏡は通常、温度や湿度が制御された部屋に設置されている。しかしその日は、24時間除湿器を稼働しているにもかかわらず、湿度がなかなか下がらず、雨をうらめしく思っていた。そんな中、大雨警報が発令され、河川決壊の恐れがあるとの情報が入ったのだった。

 この時、初めて気がついたのだが、研究施設であれば、棚や扉の固定など、地震への備えは日頃から行っているが、河川の氾濫や土砂災害には対策が無いのだ。つまり私にできることといえば、避難のみ。しかし、自分の身を守ることが最優先なのは重々承知していたつもりだったのとは裏腹に、頭の中身は、自分のサンプルや顕微鏡が流されたら、ダメになったらどうしよう、最近実験がうまくいっているのに未練が残る、そんなことばかりで埋め尽くされた。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ