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【鉄道アルバム・列車のある風景】伊賀鉄道(上)/藤の花の疲れ

(1)上野の街のシンボルが春霞の向こうにそびえていた=三重県伊賀市(西大手-新居)
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 草臥(くたび)れて宿借る此(ころ)や藤の花(笈の小文)

 伊賀上野といえば、何をおいても忍者。伊賀鉄道に乗ると席の上の棚に潜んでいたり、プラットフォームに座っていたり、伊賀市役所の正面には「ようこそ忍者市へ!!」とある。

 一方でこの街は古典文学にもゆかりが深い。冒頭の句はこの地で生まれた松尾芭蕉が大和(奈良県)で詠んだ句だが、上野の市内にも句碑がある。「よく歩いて疲れた。宿を取らなきゃと思って見上げれば藤の花がぶーらぶら」。その前に『荷物が重く歩くのが憂鬱(ゆううつ)だ』などと書いているので、満開で重く垂れ下がる藤を心持ちに重ねたものだろう。しかし古来多くの文人に愛された花で詠むあたり、辛いだけの旅ではないことがうかがえる。

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