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【西日本豪雨】広島県呉市の酒蔵が日本酒出荷再開、ボランティアも協力

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【西日本豪雨】
広島県呉市の酒蔵が日本酒出荷再開、ボランティアも協力

浸水などの被害を受けた盛川酒造で、日本酒の出荷が再開された=17日午後、広島県呉市(宮崎瑞穂撮影) 浸水などの被害を受けた盛川酒造で、日本酒の出荷が再開された=17日午後、広島県呉市(宮崎瑞穂撮影)

 西日本豪雨により土砂崩れが起きるなどし、4人が犠牲になった広島県呉市安浦町で17日、老舗の酒蔵「盛川(もりかわ)酒造」が日本酒の出荷を再開した。豪雨で仕込み庫などが浸水したが、ボランティアの協力を得て12日ぶりに復旧にこぎ着けた。当主で7代目の盛川知則社長(57)は「やっと復旧への第一歩」と前を向いている。

 6日夜、激しい雨が降り続く中、酒蔵隣の自宅にいた盛川社長は、防災無線を伝えるスピーカーで上流の野呂川ダムで緊急放流することを告げるアナウンスが鳴り響くのを聞いた。7日午前4時ごろには「ザー」という水が流れる音。外を見ると自宅のそばを流れる野呂川が氾濫寸前になり、酒造内は床から約30センチまで浸水していた。「酒蔵が大変なことに」。慌てて蔵に走ったが勢いは収まらない。水は昼過ぎに引いたが、仕込み庫や貯蔵庫に泥が堆積し、出荷前の酒瓶約千ケースが泥に漬かった。

 被災後、営業再開に向けて片付けをしていると、被害を知った取引先の酒店の人らがボランティアにかけつけ、泥かきや酒瓶の洗浄を手伝ってくれた。「困っているときに、本当に助けてくれる人がいることが、とてもありがたかった」

 そして17日、「白鴻(はくこう) 特別純米酒」などの日本酒計約50箱を出荷。見届けた盛川社長は「出荷できず申し訳ない思いだったので、ほっとした」と笑顔を見せた。

 最近は全国各地の酒販店などから「被災地応援コーナーをつくりたい」との依頼もあるという。「多くの人が応援してくれていると感じ、本当にありがたい」と盛川社長。今後も仕込み用タンクの清掃など、しばらく復旧作業は続くが、「呉のお酒をより多くの人に飲んでもらい、少しでも町を元気にできるようがんばりたい」と力を込めた。(猿渡友希)

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