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芥川賞候補「美しい顔」類似表現騒動、出版業界の甘さ露呈 被災地に一度も入らず執筆の新人のマナーは… 

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芥川賞候補「美しい顔」類似表現騒動、出版業界の甘さ露呈 被災地に一度も入らず執筆の新人のマナーは… 

文芸誌「群像」に掲載された作品「美しい顔」と、参考文献の「遺体 震災、津波の果てに」、「3・11 慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震」 文芸誌「群像」に掲載された作品「美しい顔」と、参考文献の「遺体 震災、津波の果てに」、「3・11 慟哭の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震」

 ただ、今回の参考元の作品は、著者らが実際に被災地に足を運び、被災者と信頼関係を築きながらつむいだものとされ、福井弁護士は「マナーとして参考文献を記し、一言連絡を入れても良かった」。多くのノンフィクション作品を扱う出版社の編集者も「作家としての誠実さに欠ける」と指摘する。

「自分の言葉で語るのは作家として最低限のモラル」

 文芸評論家の黒古一夫さんは「現地に入らず想像で書くなら、他者と似た言葉を使わず、自分の言葉で語るのは作家として最低限のモラル」とする一方、「新人であるが故に、同じような記述をすることの恐ろしさや、参考文献を載せるという自覚がなかったのかもしれない」と推測した。

 出版業界内では、新人作家の原稿のチェックが行き届かなかった講談社側の対応の甘さを指摘する見方もあり、「表現を変えるなどして、避けることができた問題」との声も。

 ある大手出版社の編集者は「作品の魅力は、指摘された類似点とは別のところにある。今回のことで、彼女の創作生命が閉ざされることは避けてほしい」と話した。

■「美しい顔」問題の経緯

 「美しい顔」は、東日本大震災で被災した女子高校生を主人公にした北条裕子さんのデビュー作。4月10日に決まった第61回群像新人文学賞受賞作で、講談社の文芸誌「群像」6月号(5月7日発売)に掲載された。

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