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芥川賞候補「美しい顔」類似表現騒動、出版業界の甘さ露呈 被災地に一度も入らず執筆の新人のマナーは… 

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芥川賞候補「美しい顔」類似表現騒動、出版業界の甘さ露呈 被災地に一度も入らず執筆の新人のマナーは… 

 18日発表の芥川賞候補作「美しい顔」の一部記述について、ほかのノンフィクション作品にある表現との類似性が指摘される事態となっている。同作を掲載した文芸誌「群像」を発行する講談社は「参考文献の記載漏れ」とし、6日発売の同誌最新号に参考文献一覧を掲載したが、作家本人に加え、新人作家を発掘し、育てる出版社側の対応の甘さを問う声もあがる。(渡部圭介)

「美しい顔」と参考文献の主な類似表現 「美しい顔」と参考文献の主な類似表現

被災地行かず執筆 著作権侵害はともかく誠実さに欠ける?

 「私は被災地に行ったことは一度もありません」-作者の北条裕子さん(32)は、「美しい顔」が掲載された「群像」6月号で明かしている。このため、被災地の様子は参考文献などに依拠したとみられるが、焦点となるのは参考元にあった表現との類似性だ。

 例えば、「美しい顔」で、遺体安置所のリストにある遺体の特徴の情報に差があることや、毛布にくるまれた遺体の様子を「ミノ虫」に例えている点は、石井光太さんのノンフィクション作品「遺体 震災、津波の果てに」(新潮社)と似ている。

 また、「なぜ警察も自衛隊も助けに来てくれない。日本はどうなってしまったんだ」という一文は、東北学院大教授の金菱(かねびし)清さんがまとめた「3・11 慟哭(どうこく)の記録 71人が体感した大津波・原発・巨大地震」(新曜社)内に、ほぼ同様の記述がある。

 著作権に詳しい福井健策弁護士(第二東京弁護士会)は「客観的な事実や描写を抽出することは自由。微妙だが、今回は著作権の侵害には当たらないのでは」とみる。類似点が著作権で守られる独創的で特徴的な表現とは言い切れないからだ。

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