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「清酒発祥の地」故郷の奈良にワイン醸造所を…28歳、元銀行マンの孤独の挑戦

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「清酒発祥の地」故郷の奈良にワイン醸造所を…28歳、元銀行マンの孤独の挑戦

 「わざわざ不安定な道に進まなくても…」「銀行で出世することを期待していたのに」-。同僚からの声が耳に入ったが、当時の上司は違った。「木谷君が夢を追いかけてくれるのはうれしい」。再出発する部下の背中を押すばかりか、カタシモワイナリーに研修を受けられるよう掛け合ってくれたという。

 平成28年から研修をスタート。1年目はブドウの剪定(せんてい)、管理、収穫に始まり、醸造所での圧搾、発酵に至るまでワイン造りの基礎を学んだ。柏原市の畑で自らが栽培、醸造を一貫して手がけた初めてのワイン「雁多(かりんど)尾(お)畑(ばた)スパークリング2017」が昨秋に完成。「量が少なく、冷えすぎて発酵に時間がかかってしまったけれど、おいしくできました」という自画自賛の241本は「辛口で食前酒に最適」「苦みがあり、食事にも合う」と評判を呼び、瞬く間に完売した。

 県内で栽培しているブドウは来年8月ごろから順次、収穫を始める予定。4年後には県内初のワイナリーを設立し、“純県産ワイン”の生産を目指すという。

 「ワイン造りは自己表現。アート(芸術)、クラフト(技術)、サイエンス(科学)の3つの要素を備えたところにやりがいがある。愛着のある奈良にワイナリーを作り、奈良の魅力向上にも寄与したい」

 2月に結婚したパティシエの妻、佳奈子さん(30)のサポートを得ながら、独自のワイン造りを追究する。

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