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「清酒発祥の地」故郷の奈良にワイン醸造所を…28歳、元銀行マンの孤独の挑戦

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「清酒発祥の地」故郷の奈良にワイン醸造所を…28歳、元銀行マンの孤独の挑戦

 「清酒発祥の地」を掲げる奈良ではなじみのない、“純県産ワイン”を世に出そうと奮闘している青年がいる。「奈良ワイン」代表の木谷一登さん(28)=奈良県香芝市。銀行員という安定した職をなげうって4年。県内初となるワイン醸造所の設立を目指し、現在はブドウ畑の整備に余念がない。「奈良で生まれたブドウを奈良でワインにしたい」。壮大な夢の実現に向け、汗をかく毎日だ。(竹谷朋美)

木谷さんが初めて手がけたワイン「雁多尾畑スパークリング2017」(提供写真) 木谷さんが初めて手がけたワイン「雁多尾畑スパークリング2017」(提供写真)

 同県天理市にある木谷さんのブドウ畑。たった一人で一本一本、急斜面に苗木を植えていく。約3500平方メートルの敷地を考えれば、気の遠くなるような作業だ。「暑い日は辛いけれど、ブドウが成長していくのを考えると楽しみ。友人が手伝いに来てくれることもあるんです」。重労働にも表情は明るい。

 ワイン専用のブドウ農家として独立したのは今年1月。耕作放棄地だった畑を開墾し、手間暇かけて整備した。水はけが良い、まとまった土地を探すのに苦労したが、天理市のほか奈良市と橿原市に畑を借り、早期に収穫できる「ビジュノワール」や、甘くてジューシーな「モンドブリエ」などの品種を植えている。

 香芝市に生まれ、県立畝傍高校から京都大総合人間学部に進学。同大学院を修了後は地方銀行に就職し、個人ローンや住宅ローンを担当していた。もともとワイン好きだったという事情も手伝い、取引先のカタシモワイナリー(大阪府柏原市)の見学会に参加。それが人生の転機となった。

 「自分の裁量と責任で納得した商品を販売できる。そこにワイン造りの魅力を感じた」と一念発起。入行して1年9カ月で下した決断だった。

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