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【西日本豪雨】巨石が転がり団地は残骸に 不明の父探す男性「孫の姿見せたかった」 不明者多数の広島・熊野町

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【西日本豪雨】
巨石が転がり団地は残骸に 不明の父探す男性「孫の姿見せたかった」 不明者多数の広島・熊野町

土砂崩れで行方不明になった桐岡勝治さんの自宅前を訪れた息子の賢さん=平成30年7月12日、広島県熊野町 土砂崩れで行方不明になった桐岡勝治さんの自宅前を訪れた息子の賢さん=平成30年7月12日、広島県熊野町

 広島県熊野町川角5丁目の山裾には、土砂にのまれた団地「大原ハイツ」の十数軒の残骸が散らばる。ここだけで一時、10人以上が安否不明になった。「一日も早く出してあげたい」。日を追うごとに遺体が見つかる中、会えない父や子らの手掛かりを求め、家族は連日、現地に足を運んだ。

「野球で活躍する孫の姿みせたかった」

 6日夜。すさまじい雨の中、「バキバキ」と木が折れる音が響いた。ある住民は巨石が転がり、家に激突する瞬間を目撃。住宅火災も起きた。裏山が頂上付近から崩れ、被災現場につながる唯一の道が土砂で埋まった。

 「野球で活躍する孫の姿を見せたかった」。仕事を休み、捜索を見守り続けた広島県東広島市の会社員、桐岡賢さん(48)がつぶやいた。両親が住む家が倒壊し、母の幸恵さん(70)は救助されたが、父、勝治さん(76)の行方が分からなくなった。

 桐岡さんは小学生の時、PTAのソフトボール大会に出場した勝治さんの使い古されたグローブを思い出す。「自分もはめてみたい」と野球を始めた。高校でけがをするまでのめり込んだ。

親子をつないだ「野球」…あのとき見せておけば

 「無口で頑固」という勝治さん。30歳の頃に仲たがいし、家を出た。親子をつないだのが野球だった。小学5年の桐岡さんの長男が野球を始めた小1の頃、練習を見に訪れては「頑張れよ」と声を掛けてくれた。だがささいなことで確執は続いた。

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