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消臭剤に使われる多孔性材料のゼリー化に成功 薬剤を臓器に直接はこぶ治療法への応用期待 京都大

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消臭剤に使われる多孔性材料のゼリー化に成功 薬剤を臓器に直接はこぶ治療法への応用期待 京都大

ゼリー状の多孔性材料のイメージ ゼリー状の多孔性材料のイメージ

 京都大物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)の古川修平准教授(無機化学)らのグループが、消臭剤などに使われる多孔性材料のゼリー化に成功した。形を加工することが可能になり、薬剤を吸着させて病気の臓器や細胞内に直接運ぶ治療法の開発などへの応用が期待される。研究成果は12日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。

小さな穴を保持したまま ゲル合成も成功

 多孔性材料は、無数に空いた小さな穴がガスを吸着できることから、消臭剤のほか、浄水フィルターなど生活に身近な場面で使われている。一方で、形を加工しようとすると穴がつぶれてしまい、吸着性を失うのが課題となっていた。

 今回の研究で、グループが着目したのは、多孔性材料の一つで、金属イオンと有機物を合成した「多孔性金属錯体」という物質。無数の立方八面体が結晶化したジャングルジムのような強固な構造をしている。

 実験では、このジャングルジムをばらして立方八面体を分離した上で、それぞれを緩やかに分子でつなぐことに成功、ガス分子をとらえる小さな穴を保持したまま形を加工することが可能になった。さらに実験を重ね、ゼリーのように柔らかいゲルを合成することにも成功したという。

 古川准教授は「ガスの吸着量の向上や柔らかさを使った応用研究への展開が今後の課題」と話している。

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