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【西日本豪雨】最後の電話「早く助けにきて」 足不自由な夫を抱きかかえた妻 倉敷で犠牲の西原さん夫妻

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【西日本豪雨】
最後の電話「早く助けにきて」 足不自由な夫を抱きかかえた妻 倉敷で犠牲の西原さん夫妻

西日本豪雨で岡山県倉敷市真備町で犠牲となった西原俊信さん、明子さん夫妻(遺族提供) 西日本豪雨で岡山県倉敷市真備町で犠牲となった西原俊信さん、明子さん夫妻(遺族提供)

 明子さんは、遊びに行くといつもおいしいお茶を用意してくれ、仕事からプライベートまで、細かく気に掛けてくれた。「たくさんかわいがってもらった。もっとドライブとかに連れて行ってあげたかったし、できれば亡くなる前に結婚して、ひ孫を見せてあげたかった」。征輝さんは台所にそっと手を合わせた。

 約40キロ離れた同県久米南町に住む長男の英信さん(58)は、刻一刻と深刻になる大雨の中、「そっちの家は大丈夫か」と電話で気遣ってくれた俊信さんの声が忘れられない。「仕事熱心で、厳しいところもあったけれど、優しい父だった」と話す。

最後の電話「早く助けに来て」「水が机の上にまできている」

 最後の電話は、7日午後。「早く助けに来て。水が机の上にまで来ている」と、助けを求める声だった。だが英信さんも、約30キロ離れた同県玉野市在住の次男の幹夫さん(54)も、激しく降る雨に阻まれて助けに行くことはできなかった。

 厳しくも、愛情深い両親だったという。英信さんは「仲のいい両親で、大切に育ててもらった。最後まで幸せな人生だったと思う」。幹夫さんは「父に叱られていると、母が『もういいじゃない』と優しく止めてくれた」と振り返った。

「本当に悔しい」

 10日には、夫婦の葬儀も終えた。家族は2人の思い出の品々と向き合いながら、片付けを進め始めている。征輝さんは「こんな形で最期を迎えるなんて、本当に悔しい」と声を震わせ、亡き祖父母にこう呼び掛けた。

 「最期は苦しかっただろうけれど、天国で見守っていてください」

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