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【日野町再審】喜びと悔しさ 再審開始決定に遺族ら複雑な表情

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【日野町再審】
喜びと悔しさ 再審開始決定に遺族ら複雑な表情

再審開始決定を受け、会見する阪原弘元受刑者の長男、弘次さん(右から2人目)、伊賀興一弁護団長(同3人目)ら=大津市(寺口純平撮影)  再審開始決定を受け、会見する阪原弘元受刑者の長男、弘次さん(右から2人目)、伊賀興一弁護団長(同3人目)ら=大津市(寺口純平撮影) 

 昭和59年に起きた滋賀県日野町の強盗殺人事件で無期懲役が確定し、平成23年に病死した阪原弘(ひろむ)元受刑者=当時(75)=の再審開始を認めた大津地裁の決定。大津市内で11日開かれた弁護団の記者会見では決定に喜びの声が上がる一方、当時の警察や検察の捜査手法、さらにはそれらに基づき有罪判決を下した裁判所に対して厳しい指摘が相次いだ。

 弁護団とともに会見場に姿を見せた阪原元受刑者の長男の弘次(こうじ)さん(57)。支援者らから花束が手渡されると、会場から大きな拍手がわき起こった。

 「非情にうれしい。今はこの喜びをかみしめたい」と笑顔をみせ「今日はこれまでと全く違う気持ちで、決定文を読むことができる」と喜んだ。

 その一方で、「第1次請求審で無罪を勝ち取っていたら、今も父は生きていたと思う。『父ちゃん一杯飲もうや』という会話ができないことは悲しい」と悔しさをにじませた。

 添付資料も含め236ページに渡る決定文は、阪原元受刑者が犯人である合理性に疑問を投げかけ、最終的に再審が必要と結論づけている。

 伊賀興一弁護団長は「再審開始を小躍りするほど喜んでいる」としながら、「20年も閉じ込められ、どんな思いで日々を過ごしたか。決して取り戻せるものではない」と複雑な表情を浮かべた。

 その上で、「つらい取り調べの中で自白を強要し、無罪の人間を犯人に仕立てるといった間違った判断を警察、検察、司法は二度としないでほしい」と訴えた。

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