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【関西の力】飛鳥時代創業・金剛組(4)技は見て盗む-1400年の系譜、途絶えさせぬために

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【関西の力】
飛鳥時代創業・金剛組(4)技は見て盗む-1400年の系譜、途絶えさせぬために

宮大工が使用する鑿=堺市の金剛組加工センター(寺口純平撮影) 宮大工が使用する鑿=堺市の金剛組加工センター(寺口純平撮影)

 加藤さんが初めて現場に入った20歳のころ、先輩にただ怒鳴られ、何が悪いのかすら分からなかったという苦い思い出がある。それが今や、堺市の加工センターでは若手に丁寧に教えるベテランの姿が見られるようになった。

 昔も今も変わらないのは「仕事に入ったら、若手もベテランも同じ『土俵』に立つ」ということ。加藤さんは、現場で切磋琢磨(せっさたくま)し「自分の携わる仕事は芸術作品だ、と誇りを持てる」宮大工になることを若手に期待している。

顧客の信頼裏切らず「唯一無二の企業に」

 一方で、金剛組を取り巻く事業環境は厳しさを増している。

 文化庁の宗教年鑑(平成27年版)によると、全国の仏教系宗教法人の寺院は7万を超える。だが、住職がいない、別の寺の僧侶が住職を兼ねる、といったケースが増えている。和歌山大学経済学部の吉村典久教授(経営学)は「改築の費用が出せない寺も多く、建築市場の縮小は避けられない」と指摘する。

 しかし、金剛組の刀根健一社長(61)は「現状に悲観はしない」。四天王寺(大阪市天王寺区)をはじめとする顧客からの信頼を裏切らなければ、1400年余りに及ぶ歴史が途絶えることはない、と考えている。

 信頼を支えるのは精巧さを極める伝統技術だ。刀根社長は「丁寧な手作業で建築した社寺は、機械化された作業によるものとは仕上がりや耐久年数が違う」と言う。宮大工には、百年単位で品質を保つことができるとの自負がある。

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