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【浪速風】水を治めた武田信玄に学びたい-ダム放流の判断、信玄ならどうするだろう(7月11日)

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【浪速風】
水を治めた武田信玄に学びたい-ダム放流の判断、信玄ならどうするだろう(7月11日)

基準量の約6倍に当たる水が放流された鹿野川ダム=9日、愛媛県大洲市 基準量の約6倍に当たる水が放流された鹿野川ダム=9日、愛媛県大洲市

 災害の度に新しい言葉を耳にする。西日本豪雨では「バックウオーター現象」を知った。大雨で川の本流の水位が上がると、流れ込む支流の水が壁にぶつかるように阻害され、行き場を失ってあふれ出す。岡山県倉敷市の真備町地区で、小田川が決壊したのは高梁川との合流地点だった。

 ▼歴史をひもとくと、治世は水との戦いである。武田信玄の「信玄堤」が名高い。甲府盆地を流れる釜無川や支流の御勅使(みだい)川は、古くからしばしば氾濫した。信玄はまず「将棋頭」と呼ばれる石積みで御勅使川の流れを二分した。さらに合流した釜無川には、雁行状に「霞堤」を配置した。

 ▼霞堤は不連続で、洪水時には隙間からあふれて水位が下がる。敵の勢力を分散させる、戦国武将らしい発想といえよう。現代の治水は、河川に頑丈な堤防を築き、上流のダムで水量を調節する。だが、今回の豪雨は想定をはるかに超え、ダムを放流せざるをえなかった。信玄ならどうするだろう。

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