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【正木利和のスポカル】いつもポケットに名作を 「半分、青い。」で「ショパン」「北斗の拳」「キャプテンハーロック」

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【正木利和のスポカル】
いつもポケットに名作を 「半分、青い。」で「ショパン」「北斗の拳」「キャプテンハーロック」

おとな買いした「いつもポケットにショパン」。名作は古びない おとな買いした「いつもポケットにショパン」。名作は古びない

 実は、その漫画が佳境に入ったころ、同じ大学に通う女の子とつきあい始めたのだった。彼女に少女漫画を読んでいるのを知られると、どん引きされるんじゃないかなと恐れたあげく、月に一度、わくわくしながら少女漫画を手に取る喜びを放棄してしまったのである。

 きっとラストを覚えていないのは、そのせいに違いない。

   ■    ■

 だが、「半分、青い。」のおかげで先日、全巻をおとな買いし、一気にむさぼり読んだ。

 驚いたことに、あのときポケットにしまったままだったショパンは、こんなに年老いてしまった心にもしみるほどの甘酸っぱい旋律を奏でたのである。

 なかでも「半分、青い。」の主人公がドラマのなかで師匠にほんとうに弟子入りをするシーンで効果的につかわれた「なにがあってもすべてあの時のときめきからはじまっていることを忘れるものか」というセリフを見つけたときには、感激してしまった。

 人はときめきを抱きしめながら生きているのだ、と。

 この「ショパン」のおかげで、松本零士の「キャプテンハーロック」も最後まで読んでいなかったことに気づき、全巻をまとめ買いするはめになってしまった。

 ふたつの漫画を読んでみてわかったことがあるとすれば、名作は決して古びない、ということであろう。

 そう、たまには胸のポケットに手を入れて、さぐってみるといい。

 もしかしたらあなたも、そこでじっと眠り続けている、なつかしい感動のかけらを、見つけることができるかもしれない。

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正木利和 正木利和 産経新聞文化部編集委員。大阪新聞から産経新聞社会部、運動部、部長を経て現職。運動部歴25年目となった秋、念願かなって美術担当に。好きなものは以下の通り。富岡鉄斎の絵、ジャランスリワヤの靴、よく墨のおりる端渓硯(たんけいけん)、勇敢なボクサー、寡黙な長距離走者、「水曜どうでしょう」について語り合うこと。当コラムは、スポーツの話題にときどきカルチャーを織り交ぜて、「スポカル」。以後、おみしりおきを。

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