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【西日本豪雨】不明の兄「早く見つけて」 榎川氾濫で新たな水害発生、続く捜索活動 広島・東区

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【西日本豪雨】
不明の兄「早く見つけて」 榎川氾濫で新たな水害発生、続く捜索活動 広島・東区

複数の住宅が巻き込まれた土砂災害の現場で捜索活動を行う自衛隊員ら=9日、広島県呉市天応西条 複数の住宅が巻き込まれた土砂災害の現場で捜索活動を行う自衛隊員ら=9日、広島県呉市天応西条

 一方、13人が死亡、15人が行方不明の呉市。山の斜面に住宅が広がる天応西条(てんのうにしじょう)地区では、地域住民6人が土砂や濁流にのみ込まれ、集落は無残な姿に一変した。

 「あの大きな岩の所に知り合いの家があったんです」「新築の家が何軒もあったのに。何でこんなことに…」

 集落の中の脇道を上っていくと、複数の住宅が土砂と濁流に押し流されてめちゃくちゃに壊れ、人の背丈ほどもある大きな岩や流木が散らばっていた。流失した住宅のすぐそばに住む元海上自衛隊官の平井伯志さん(69)は9日、自宅の様子を見に訪れ、変わり果てた集落の光景に涙をぬぐった。木造2階建ての自宅も大量の土砂に押しつぶされ、半壊状態だった。

 一人暮らしの平井さんが異変に気づいたのは6日午後9時頃。激しい雨が降る中、「ドーン、ドーン」という大きな音が繰り返し鳴り、「山から石が流れ出とるな」と直感した。外に飛び出ると、自宅横の橋に岩や流木が引っかかり、濁流があふれていた。

 車で700メートルほど坂を下ったJR呉線近くの市民センターまで避難するつもりだったが、濁流に車がさらわれそうになり、行き先を変えて地区の自治会館に逃げ込んだ。「生きた心地がしなかった」と、押し寄せた水の驚異を振り返った。

 自宅を離れる前、要介護のお年寄りを抱える近所の家に避難するよう声を掛けた。土砂に押し流されたのは、その少し下にあった顔見知りの男性宅だった。地区の役員を務める男性は約20人が避難していた自治会館に詰めていたが、妻と母は自宅に残っていた。翌朝、自宅を見に行った男性から「家がなくなっていた」「2人の名前を叫んでみたが答えがなかったです」と聞かされたという。

 いま、心の中には後悔しかない。「自分がみんなに声をかければよかったのに、それができんでね…。近所の方を助けられんかった。つらいです」。平井さんはそう言って、何度も何度もタオルで涙をふいた。

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