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【関西の議論】女性研究者が女王アリの秘密に迫る

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【関西の議論】
女性研究者が女王アリの秘密に迫る

 女王アリが交尾をするのは、生まれ育った巣から一斉に飛び立ち、街灯などに群がって、別の巣からやってきたオスと交尾する「結婚飛行」の時だけ。その時にオスからもらった精子を一生分として体内の「受精嚢(のう)」にためておき、産卵時にそこから必要な分を出して受精させる。

 実に10年以上にわたって受精嚢で精子を生かしておくことができるのだが、そんなことがなぜ可能なのか-を突き止める研究だ。

アリを飼育するプラスチックケース。土の代わりに石膏が敷き詰められている アリを飼育するプラスチックケース。土の代わりに石膏が敷き詰められている

 研究には多くの女王アリが必要になる。採取するタイミングは年に一度しかない。結婚飛行のときだ。

 キイロシリアゲアリの場合、結婚飛行は9月ごろ。決まって雨が降った日の翌日の蒸し暑い夜だ。「シーズン中は気を抜けない。毎日天気予報をチェックする」。

 いざその日が来ると、後藤さんはピンセットと空のペットボトルを手に、アリが飛び回るコンビニや自動販売機の周辺に。「交尾を終えた女王アリは地上に降りてハネを落とすのでそこが狙い目」と地面に目をこらし、徹夜で一度に数万匹もの女王アリを採取する。

 その様子に「コンタクトレンズや鍵を落としたのかと心配されることもある」という。

いずれヒトへの応用も

 後藤さんは精子を体内に長期間貯蔵できる理由を「精子を休眠状態にしているためではないか」と推定。研究の結果はその予想通りで、受精嚢の中で精子は動きが止まっており、取り出すと動き始めることを確認した。

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