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【関西の力】飛鳥時代創業・金剛組(2)38代目当主は初の女棟梁 「命がけで」四天王寺五重塔再建

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 昭和9年、室戸台風で倒壊した四天王寺五重塔(大阪市天王寺区)の再建工事で采配を振ったのは、女性だった。金剛組の38代目当主、金剛よしゑ(1894~1975年)。創業から千年以上続いた金剛組の歴史で初の「女棟梁(とうりょう)」だ。現場に白装束で立つその姿は、新聞や雑誌で紹介され世間の注目を集めた。

金剛組の歩み
金剛組の歩み

女の細腕で再建できるのか―いぶかる住職に「命がけでやります」

 よしゑの当主就任のきっかけは金融恐慌による経営難だった。夫で37代目当主の治一が昭和7年9月、責任を取って先祖の墓前で自ら命を絶った。金剛組存続のため当時38歳のよしゑが跡を継ぎ、懸命に作業場を歩いて社寺建築を学んだ。

 「女の細腕で再建できるのか」。いぶかる四天王寺の木下寂善(じゃくぜん)住職(当時)に、よしゑは「命がけでやります」と答えた。当時、女性は社寺建築の現場に立ち入ることさえほとんどなかった。それを覆すほどに四天王寺の存在は金剛組にとって重く大きい。

 金剛組の歴史は飛鳥時代にさかのぼる。西暦578年、聖徳太子が百済から金剛組の初代当主となる金剛重光らを招き、四天王寺の建立を任せたとされる。同年に創業し、当主は代々、四天王寺を守る「正大工職(しょうだいくしょく)」の役目を与えられている。

 織田信長と石山本願寺勢との争い、大坂冬の陣、室戸台風…。五重塔は戦乱や天災に巻き込まれては焼失、倒壊し、その度に金剛組が再建工事を担ってきた。江戸時代には、正大工職の功績を認められ異例の名字帯刀を許されている。

 現在の四天王寺執事、南谷恵敬(えけい)さん(63)は「何度も立ち直った五重塔の歴史の中で、金剛組はなくてはならない存在だった」と話す。

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